金沢PHP経営者友の会 10月度オープン例会を開催
金沢PHP経営者友の会の第535回定例会に、京都のPHP研究所・PHP友の会事務局の平山健太郎さんをお迎えしました。平山さんは、朝から強風によりサンダーバードが琵琶湖線・北陸本線ルートへ変更となるハプニングに見舞われながらも、例会開始時間前に無事会場へご到着。打ち合わせなしのぶっつけ本番ながら、温かな拍手に包まれてご講演が始まりました。

平山さんは視覚障がいを抱えながら、点字や音声読み上げPC、点字ディスプレー、iPhoneの音声機能を活用して業務に取り組む実践者。白杖で歩行し、趣味は水泳とランニング。オープンウォーターで3kmを泳ぎ、フルマラソンも走るなど、前向きなライフスタイルが印象的でした。
前半は「ユニバーサルマナー」をテーマに、視覚障がいの基礎情報や、日常での声かけ・配慮のポイントをクイズ形式で紹介。点字利用者は視覚障がい者の「1割未満」であること、乗り物ではまず「様子を見る」こと、ゴミ箱の案内は「位置を具体的に伝える」ことなど、当事者の実感に根ざしたヒントが続きました。「見守ることは無関心ではない」という言葉が心に残ります。
本題では「リーダーとして大切なこと」を、松下幸之助の考え方とご自身の体験を交えて語られました。就職活動での壁、入社後に取り組んだ「松下幸之助の肉声テープの文字起こしと要点抽出」という難業。そして「虫の目と鳥の目」の助言でブレイクスルーを得たエピソード。弱みやハンディに着目し共有して協力を得ること、ビジョンを明確にして仲間を増やすこと、自分の役目を追求することの大切さが、具体例とともに示されました。
松下幸之助の人物像として、「貧しい・学歴がない・病弱」という“ないない尽くし”を強みに転じた話。成功の定義を「天分を生かし切る人間としての成功」に置いた視点。衆知を集める「全員経営」。そして「成功とは成功するまで続ける」という継続の力が紹介されました。
沿道の看板の劣化を見逃さない営業感覚の逸話「それでも松下の人間かっ!」との叱責は主体性と自力の重要性を鮮烈に伝えます。
終盤には幸之助の肉声メッセージも視聴。自分を点検し80%を90%へと高める努力、周囲を生かして全員の点数を上げる姿勢。難しい課題ほどやりがいがあるという励ましが、参加者の背中を押しました。
まとめのキーワードは「自主性・誠意・熱意」「ダイバーシティからインクルージョンへ」「配慮はするが遠慮はしない」という実践的スタンスも共有され、障がいの有無を超えて誰もが主体的に力を発揮する場づくりの大切さが語られました。平山さんは、「PHPの理念を広く伝え、当事者の励みとなる活動を細く長く続けていきたい」と抱負を述べられました。
金沢PHP経営者友の会では、来年の設立45周年に向け、引き続き学び合いと実践の輪を広げてまいります。講師の平山さん、ご参加下さったオブザーバー10名、会員16名の皆さま、誠にありがとうございました。
文責:金沢PHP経営者友の会 オープン例会担当委員
